<日本ハム2-4ソフトバンク>◇12日◇札幌ドーム

 日本ハムが、上位追撃のヤマ場と位置づけたソフトバンク3連戦に連敗し、カード負け越しが決まった。早めの継投で逃げ切りを図ったが、1点リードの7回に宮西が逆転を許した。栗山英樹監督(53)は、大谷翔平投手(20)を「3番左翼」で起用。DH制のない交流戦をのぞけば、開幕カードの3月29日オリックス戦以来となる外野守備に就かせたが、結果には結び付かなかった。

 栗山監督は自分自身に“逆らった”。「3番左翼・大谷」。DH制のない交流戦をのぞけば、開幕カード以来となる、外野守備に就かせた。「(大谷)翔平には無理を強いている。けどオレも、あいつも、悔いが残ると思った。今、チームにあるものを出し切るのが必要」。勝負に徹し、総力戦に踏み切った。ただ結果だけが、伴わなかった。

 球宴前最後の札幌ドーム3連戦。指揮官は、ペナントを左右する大一番になると踏んでいた。「大事な試合って、すごく早い時期にくる。(シーズンの)最後じゃない」。就任3年目。実際に指揮を執ってきた中での肌感覚があった。秋に優勝争いするために、今を重要視した。中田のコンディションが思わしくないこともあり、野手出場は「DH」に限るという二刀流育成ルールを、破った。

 その大谷は8回、左翼線へ二塁打を放ちチャンスメークしたが、1回1死三塁の先制機に三振に倒れるなど4打数1安打に終わった。7回の守備では、ライン際へ切れていく打球を後逸する(記録は三塁打)場面もあった。「あそこは勝負にいきました。捕って、(走者を)刺せればよかったんですけど…」と悔やんだ。左翼手は今季初めて。栗山監督は「守備練習もさせないで守らせてるこっちが悪い」と責任をかぶった。

 上位進出をもくろんだソフトバンク戦に連敗し、ゲーム差は8に広がった。栗山監督は「前を向いてやるしかない。3つやられるわけにはいかない」。限定ユニホームの胸に刻まれる「HOKKAIDO」の文字。本拠地でやられっぱなしのままでは、終われない。【本間翼】