<オールスターゲーム:全パ0-7全セ>◇第1戦◇18日◇西武ドーム

 3年連続3度目出場の日本ハム陽岱鋼外野手(27)が、気を吐いた。「1番・中堅」で先発。3回に内野安打で出塁すると、5、7回に右方向へ連続二塁打を放った。6安打0封負けの全パにあって5打数3安打と爆発。球宴2度目の猛打賞で敢闘選手賞を獲得した。

 「お祭り男」の面目を保った。陽岱鋼が2二塁打を含む5打数3安打。2年前にMVPを獲得した第3戦(盛岡)以来、2度目の猛打賞で敢闘選手賞を獲得した。「ファンの方が楽しんでもらえれば良かった」。打撃だけでなく、8回の守備では左中間への大飛球を難なくキャッチ。攻守で大きな歓声を、気持ちよさそうに浴びた。

 年に1度の夢舞台を、楽しみにしていた。2年前までチームメートだったオリックス糸井との共演。苦しい時に支えてくれた優しい先輩だ。左膝裂傷でリハビリ中だった6月17日、都内のホテルに滞在していた午後10時半ごろ。東京ドームで巨人戦を終えた糸井が突然訪問した。「飯行こう」と誘われたが、翌日は早朝から2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でリハビリ。「無理、無理」と笑いながら丁重に断った。

 ご飯の誘いは冗談で、本題は激励だった。「足を心配してくれました。いつ復帰できるかとか。うれしかった」。部屋で2人きり、いろいろ話し合った。この日も試合前から中田も含めて12年リーグ優勝時の外野陣が集結して談笑。「やっぱ、楽しいですね」。懐かしい空気が、活躍の後押しになった。

 今日19日は本塁打競争に出場する。辞退したペーニャの代役に指名され「(昨季のパ)盗塁王がホームランダービーですよ」と苦笑いも勢いは十分。気分よく乗り込む聖地・甲子園での第2戦は、もっと光り輝いてみせる。【木下大輔】