<オリックス1-0日本ハム>◇23日◇京セラドーム大阪

 これが首位と3位の差なのか。日本ハムが今季4度目の同一カード3連敗で、再び借金生活に逆戻りした。オリックスの吉田一に手も足も出ず、7回1死からの安打で完全試合を阻止するのがやっと。今季ワーストタイの2安打で1失点完投の先発上沢を見殺しにした。首位とは今季最大の9・5ゲーム差となり、自力Vの可能性が消滅した。

 あっけない幕切れだった。最終9回1死一塁。西川が外角低めの直球に空振り三振。勢い余ってホームベース上へ身が傾いた。一塁走者の谷口は二盗を試みていた。オリックスの捕手・伊藤が二塁へ送球しようとしたボールが、バランスを崩して西川が頭上に掲げていたバットに当たった。守備妨害でゲームセット。栗山英樹監督(53)は、すぐにベンチ裏へ引き揚げた。「それは別としてね…」。後半戦3連敗スタート。2日以来3週間ぶりの借金1。厳しい現実だけを見ていた。

 打線はドラフト1位右腕の吉田一に手玉に取られた。6回までパーフェクト。攻撃前に円陣を組んだ7回は1死から中島の中前打で一矢報いた。「何とかしなきゃ」という指揮官の思いとは裏腹に、2死二塁と好機を広げたが中田は空振り三振。唯一のチャンスを逸した。9回は先頭の代打大谷が執念の二塁内野安打も1点が遠かった。

 気合は空回りした。前半戦最終戦だった16日西武戦(旭川)後、栗山監督は選手に熱く語りかけた。「オリックス戦から全開で行く」。逆転優勝を見据えたロングスパートをチームの意識として共有した。上位追撃の大事な直接対決だった。すべて接戦は演じたが、最後まで押し切られた。

 痛すぎる今季4度目の同一カード3連敗も、栗山監督は前だけを見た。「しっかりと受けとめる。下を向いている暇はない」。残りは58試合。やり返すチャンスは、まだまだ残っている。【木下大輔】