<ロッテ4-6日本ハム>◇29日◇QVCマリン

 積み重なった悔しさを、一振りで晴らした。野手では後半戦初スタメンの日本ハム大谷翔平投手(20)は同点の8回、1死一、二塁の好機に中前へ、一時は勝ち越しとなる適時打を放った。3打席連続三振の後の意地の一打。「タクさん(中島)が流れを変えてくれたし、波に乗れました」。ビッグイニングをつくってくれたチームメートに感謝した。

 左膝痛や右太もも裏痛を抱える中田の起用法や、自身の球宴出場などの影響もあり、7月13日ソフトバンク戦(札幌ドーム)以来の野手でのスタメン出場。ロッテ石川を相手に1、6回はシンカー、3回は直球に手も足も出なかった。だが「(引きずることは)特になかったです」。相手が松永に代わった第4打席、しっかりと結果を残し、一塁ベース上で両手をたたいた。

 再び追いつかれ、大谷のV打は消滅したが、チームは西川の決勝弾で延長戦を制した。8日ぶりに貯金は「1」。8回に代打で出場した稲葉(右飛)と並んでバスへ向かう帰路、「オレが流れを変えたよな?」と笑うベテランに「はい。あれで変わりました」とニヤリ。チームには巻き返しムードが漂っていた。【本間翼】