「8月反攻」の切り札投入が近づいた。日本ハム大谷翔平投手(20)が、今月中にも投打「二刀流」フル回転する可能性が高まった。今後は日曜日登板に固定される方針。翌月曜日が移動日もしくは休養日になるため、最大6試合にフル出場できる態勢が整った。逆転優勝へ向けて今月が勝負どころと踏む栗山英樹監督(53)は4日、「(可能性は)ある。どこでできるか考えている」と示唆した。

 ついに、制限解除される日がくる。大谷が投打の主軸として、8月はプロ入り後初めてとなる1週間に最大6試合フル出場するプランが現実味を帯びてきた。前日3日ソフトバンク戦で3カ月ぶりに日曜日に登板。今後は中6日で固定される方針だが、その裏には、打者・大谷の有効活用があった。

 ここまで投手としては9勝2敗、防御率2・17(リーグ2位)と安定している一方、打者としても出場時はクリーンアップを打ち、打率2割8分1厘、5本塁打と活躍。現在は首位ソフトバンクと9ゲーム差。逆転Vのために8月は勝負どころと踏む栗山監督は、大谷のフル回転に「(可能性は)ある。どこでできるか考えている」と、“制限解除”は秒読みに入った。

 当然本人の体調とコンディションを見ながらになるが、一番の不安はけが。カード3戦目に登板予定の投手が1、2戦目は打席に入るとなると、相手バッテリーの死球覚悟の厳しい内角攻めも予想される。同監督も想定済みで「昔なら当てられているかも」と言う。だが「今は違う。球界全体を盛り上げていかなければならない中で、そういう方向にはいかない」と訴え、「それも含めて、どこでできるか考えている」。相手の状況、ローテーションを加味しながら“二刀流ウイーク”を見極めていく。

 大谷はこの日、札幌から帯広に移動した。今日5日からは2位オリックスとの2連戦(帯広)。「何とか初戦を取れるように頑張りたい。このカードで(ゲーム差を)縮めるチャンスがあるので、何とか勝てるようにしたいなと思います」。大谷の存在感は日に日に高まっている。【本間翼】