阪神のFA補強のターゲットとして、ロッテ成瀬善久投手(29)が浮上していることが23日、分かった。今オフは投手強化を最大のポイントに置く球団は、オリックス金子と日本ハム宮西をマークしている。ここにきて金子を取り巻く情勢から、獲得が厳しくなっていると判断。成瀬の調査も進めていくことになった。

 成瀬は5月に国内FA権を獲得した。15日に残留交渉をしたもののうまくまとまらず「ショックを隠せないというか、寂しい気持ち」とチームの秋季練習から離れて自主トレをしている。07年に最優秀投手に輝いた左腕は通算90勝と実績十分。今後、ロッテとの交渉がまとまらずにFA宣言した場合に備えていく。

 阪神の球団幹部は「投手は何人いてもいいし、来季は優勝を狙う戦力にしなければいけない」と力を込める。ドラフト会議では社会人の即戦力投手3人を指名したが、まだ満足していない。能見とメッセンジャー、藤浪、岩田の4本柱に続く先発投手の台頭は課題。福原や安藤らベテランが踏ん張る救援陣も1枚でも多く戦力がほしい。球団創設80周年の来季は05年以来のリーグ優勝が使命だけに、的確な補強を目指している。