西武が獲得に乗り出している米アスレチックスからFAとなった中島裕之内野手(32)へ「直接ラブコール作戦」に打って出る。5日、鈴木葉留彦本部長(63)は「うちは代理人というよりは本人と直接やりたいと思っている。本人に電話して条件だけじゃなくて、いろいろな話もしたい」。同本部長は、中島が入団時の2軍監督で、旧知の仲ならではの世間話などを交えながらハートを射止めにいく。

 だからこそ交渉のペースに焦りはない。「NPBとMLBの関係もあるので、きちんと身分照会などの事務手続きを済ませてからということになった」と正式な段取りを踏んでからアタックを開始する予定。本人への連絡は「ここ2、3日の間になる。すぐに決まるわけでもないし、慌てることはない」と慎重かつ冷静に進めていく方針を明かした。

 背番号はかつて愛用した「3」を用意。渡米前の環境にすんなりとけ込むため、サポート体制を万全に整えて迎え入れる。条件面では3年以上の複数年を用意しているとみられるが「ここでは言わない。他球団に見劣りしない」と一貫して具体的な数字を明かさないのも西武の手法。古巣は古巣だけができるスタイルで「最愛の恋人」を迎えにいく。【為田聡史】