阪神が主砲マウロ・ゴメス内野手(30)へ、今季の推定年俸8500万円から倍増に近い条件を用意することが5日、分かった。1年目の今季は単年契約で来日。143試合に出場し、打率2割8分3厘、26本塁打109打点と文句なしの数字で4番の役目を全うした。「まだ正式には話をしていないけれど、何日かのうちには話し合おうと思っている」と話すゴメスを、球団も必要不可欠な戦力として評価。誠意を持って残留交渉を行っていく。

 渦中のゴメスはこの日の午後、新神戸駅に現れた。愛する家族と約9カ月ぶりの母国ドミニカ共和国へ出発。「最後は負けてしまったけれど、日本シリーズまで行けたのは良かった」と充実感を漂わせた。ただ、現状への満足だけでは終わらない。上がる年俸とは対照的に、来年の来日までに掲げた宿題は「ダウン」だった。

 「ウエートとランニングで体重を落としていけたらと思うよ。今年に関しては重めだった。落とせば体の動きが良くなるからね」

 さらにボリュームを増してパワーアップ!

 と思いきや、まさかのダイエットを選択。その背景には春の失敗があった。娘が生まれて来日が遅れた2月。追い打ちをかけるようにいきなり右膝を痛め、実戦デビューは3月15日にまでずれ込んだ。1年目への意気込みが空回りしたのか、公称104キロの体重は110キロ台に及んでいた。

 「ベストは240ポンド(約109キロ)さ。自分としては(成績を今年より)もうちょっと上にしたいよ」

 ハラハラドキドキの春はもう御免だ。引き締まったボディーで、2年目も進化する。