阪神は6日、2軍コーチ陣を発表した。2軍チーフ兼打撃コーチから昇格した古屋英夫2軍監督(59)以下、新たに香田勲男投手コーチ(49)、浜中治打撃コーチ(36)、藤本敦士内野守備走塁コーチ(37)を加えた。3人の新コーチは西宮市内の球団事務所で会見を行った。1軍スタッフ及び2軍監督は4日に発表しており、これで来季に臨むスタッフが正式決定した。

 浜中新2軍打撃コーチは、右の大砲育成を目指す。07年オフにオリックスに移籍。8年ぶりのタテジマ復帰だ。「右の長距離砲を伸ばして、1軍に送り込めるように頑張りたい」。同コーチも4番を務めたが、右打者の生え抜き主砲の台頭が乏しい。左の大砲育成が掛布DCなら、右は浜ちゃん!

 うってつけの役割に気合はMAXだ。

 強化指定したのは中谷、一二三、陽川、横田の若虎カルテット。引退後の3年間、評論家活動で気になったのは、「きれいに打とうとし過ぎて2軍投手の真っすぐに振り負けている」ことだった。「それでは1軍で打てない。遠くへ飛ばせる選手は限られている。豪快な持ち味を見つめ直してほしい」と力を込めた。

 理想の指導像は入団2年目に2軍助監督として出会った岡田彰布氏。「弱点を直すのも大事だけど、いい所を伸ばす方がプラスという考え方。僕も空振りを恐れるなと、振り切る大切さを教わりました」。ミート中心の打撃から師匠の助言でフルスイングに切り替え、主砲への道を歩んだ。中谷らにも、その極意をありのままに伝える。自ら手本も示す。「36歳だから体も動く。2月に見本を見せられるように打撃練習します」。前日、保管していた現役時代のニューバットもおろした。13日の鳴尾浜で熱血コーチはデビューする。【松井清員】

 ◆浜中治(はまなか・おさむ)1978年(昭53)7月9日、和歌山県生まれ。南部から96年ドラフト3位で阪神に入団。リーグ優勝の03年には開幕4番となるなど、右の大砲として活躍。07年オフにオリックスへトレード移籍。11年ヤクルトに所属し同年引退。通算744試合、580安打、85本塁打、311打点、打率2割6分8厘。現役時代は178センチ、83キロ。右投げ右打ち。