今季限りで現役を引退した金子誠氏(39)が、現場とフロント「二刀流」の新設ポストで第2の野球人生をスタートさせる。25日、札幌市内の日本ハム球団事務所で会見し、チーム統轄本部特命コーチに就任することが発表された。1年契約で背番号は88。「やれることは何でもやりたい。ファイターズが前進していく力になれるように」と抱負を語った。

 コーチでありながら基本的には背広姿。フロントスタッフとして、チームの強化方針でもある「スカウティングと育成」の一翼を担う。来年2月中旬から4月、6月末から8月まで、コーチ研修を目的に業務提携先のパドレスへ野球留学することも決まっている。「21年間、ファイターズしか知らない。まずは自分自身のスキルアップをしたい」。手帳を片手に「スーツを買わなきゃ」と笑った。

 だが、日本に滞在する間は「まだ体も動くし、投げられる。幅広くこき使われればいい。主に(2軍の)鎌ケ谷になると思いますが、(若手に)声も掛けていきたい」と、一般的なコーチ業もこなす。来年2月に沖縄で行われる春季キャンプも、序盤はユニホームを着てグラウンドに立つ。

 背番号はヒルマン監督や梨田監督もつけた88。「自分が入団したときの上田監督も88。ものすごく重たいものとして受け止めている」。シーズン中にベンチ入りすることもないが、多角的にチームを支える。「金子誠」は来季以降も、大きな存在になる。【本間翼】