ダイヤの原石を見つけた!

 ソフトバンク工藤公康新監督(51)が27日、福岡市の西戸崎合宿所を視察した。ブルペンで、2年目左腕の伊藤祐介投手(24)に熱視線を送るなど、若手投手陣の逸材発見を喜んだ。リハビリ組を激励し、ファーム関係者とも対話を深めた。飛躍の春季キャンプへ、投手力アップのイメージを膨らませた。

 ブルペンを出てきた工藤監督が思わず声を上げた。「いい投手がいるねえ。楽しくなるよ」。2度の秋季キャンプ視察を終え、今回は西戸崎合宿所に足を運んだ。リハビリ組の激励や2軍関係者との交流。加えて、まだ見ぬ逸材との出会いが目的だった。

 目に留まったのは、同じ左腕の伊藤祐だ。プロ入り2年で1軍の登板経験はゼロ。実績のない若手だが、ブルペンの投球練習を見て、うなった。「体にバネがある。問題点が見当たらない」。かつて工藤監督の投球フォームはお手本とされ、多くのサウスポーが憧れた。その本人が賛辞の言葉を贈った。右肩痛からの復活を目指す千賀にも声をかけ、育成枠の石川にも「もっと楽しんで投げたほうがいい。日本で一番いい投手でも思い通りにいく球は10球で6球ぐらいだから」とアドバイスを送った。

 6時間の滞在で精力的に動いた。ファーム部門の充実を誰よりも考えている。「2、3軍のレベルが上がれば、1軍もおちおちしていられない」。工藤監督が発掘した原石をじっくりと磨いていく。【田口真一郎】

 ◆伊藤祐介(いとう・ゆうすけ)1990年(平2)10月20日、宮城県生まれ。聖和学園-東北学院大。大学4年秋、仙台6大学リーグで同大学の13季ぶり優勝の立役者に。大学通算20勝9敗。12年ドラフト2位でソフトバンク入団。1軍戦出場なし。今季は2軍戦も出場なし。175センチ、77キロ。左投げ左打ち。