巨人大田泰示外野手(24)が、メジャー式スイングで開幕スタメンを奪い取る。27日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、700万円アップの推定1900万円でサインした。日米野球で「バットを内側から出す」「センター方向にバットが出る」「詰まっても力で持っていく」メジャー選手の打撃の3ポイントを習得。理想とするフォームをヒントに、来季の活躍を誓った。

 日米野球を経験し、躍進のためのヒントをつかんだ。大田は阪神・巨人連合として出場した11日のMLBオールスター戦を振り返り、「メジャーの選手は内側からバットを出すイメージを持っていた。そしてセンター方向にバットが出ている。駄目でも右中間、左中間。どれだけ詰まっても力でセンターに運べるところもでした」。焦点を3つのポイントに絞った。

 理想の打撃を、自らも体現してもいた。7点を追う7回1死一、二塁。モラレスの直球を力で右中間にはじき返した。「内側からバットを出すイメージを持っていました」。一般的に飛びにくいとされるローリングス社製(WBC使用球)の球でも関係ない。秋季練習から取り組んでいる160キロ超えの打撃マシン(通称・球道くん)では、右中間方向に本塁打。メジャー級のパワーは実証済みだ。

 今季は、シーズン終盤に1軍に定着し、自己最多の44試合に出場。勝負強い打撃で3割8分5厘の得点圏打率をマークした。9月23日の中日戦では右、左、バックスクリーンと、1本塁打を含む3安打を3方向へ打ち分けた。着実に理想に近づいており、「オフの自主トレで形を完成させたい」と意気込んだ。

 これまでの6年間、開幕スタメンに名を連ねたことはない。目標を聞かれ、「開幕スタメンは目指したい。誰もが思っているところなんで」と胸を張った。1軍定着へ、7年目は進化と真価が問われることになる。【栗田尚樹】