契約保留中の中日平田良介外野手(26)が“落合GM攻略”の助言を受けた。4日、大阪市内で行われた選手会総会に大島、大野とともに出席。長年、選手と球団の労使関係を見てきた松原徹事務局長(57)から「落合さんは『挑戦してきたな』と思って喜んでるんじゃないかな。飛び込めば受け止めてくれる人」とアドバイスされた。

 注目したのは落合GMの経歴と人間性だ。落合GMは現役時代の91年に日本人初となる年俸調停を行ったことで有名。ロッテ時代には1軍マネジャーを務め、個人的に付き合いもある同事務局長は「あの人が突き抜けてくれたから今がある。パイオニア。野球界を変にすることは絶対にないでしょ」と、選手側の気持ちを理解できると期待した。

 平田も第三者からの意見を聞き、気合を入れ直した。11月22日の契約更改交渉では1200万円増の年俸4700万円提示を保留。来週中にも2回目の交渉に臨む予定で、大島と同じく調停も辞さない覚悟だ。

 「現役生活は人生でも短い。下がるときは下がるけど、上げてもらえるときに上げてもらわないと損だと思う。(年俸調停も)可能性としてはある」

 すでに選手会からはA4用紙4枚の資料を入手。自身の成績に似た中日選手の過去年俸データが記載されている。切り札を持参してテーブルに着くつもりだ。

 ただ問題は、懐に飛び込みたくても、落合GMが次回交渉に同席しない予定であること。松原事務局長は「NPBがそれについてどういう反応をするか。西山さん(球団代表)がどういう対応をするか」と選手会としても経緯を見守る考え。果たして平田の思いはGMに届くのか…。【桝井聡】

 ◆平田と類似した例

 近年で今季の平田に一番近い成績を残しているのが06年の森野。10年目で110試合に出場し120安打、10本塁打、52打点、打率2割8分。3600万円から2900万円増の6500万円でサインした。今季9年目の平田は119試合に出場し119安打、11本塁打、65打点、2割7分7厘。試合数、打点などは平田が上回っている。チームは06年がリーグ優勝、今季は4位。