阪神のスコアラー体制が来季は「シャッフル」される。13年から2年間は担当球団制で、7人のスコアラーが各球団をマークしていたが、それぞれ担当球団を変更することが7日までに判明。担当者が変わることで、戦略のバリエーションを増やす狙いがある。

 球団関係者は「担当が変わると、新しい視点でその球団を見ることもできる」と説明する。新鮮な視線でチェックすれば、斬新な気付きがあるかもしれない。2年間で蓄積したデータに加えて、新たな情報があれば、これまで以上に情報戦を優位に戦えるだろう。すでに和田豊監督(52)の了承も得て配置転換に乗り出す。

 12年までは「先乗り制」だった。対戦の2カードほど前から敵情視察し、チームの戦いぶりや選手の好不調など現状の把握に努める流れだった。13年以降の担当球団制は、1人のスコアラーが継続的に見続けることで細かい変化をとらえられるメリットもある。かつて落合中日もこのシステムを徹底し、常勝時代を築いた。

 経験豊富なスタッフが盤石の体制を築いて、現場をサポートする。「14の目」をギョロリと光らせ、敵の弱点探しに奔走する。来年2月の春季キャンプから本格的に動きだし、各チームをマンツーマンで密着マーク。豊富な情報あってこそ、的確で緻密な作戦を練れる。虎の007は柔軟なスタンスで、創設80周年のメモリアルイヤーV奪回にヒントを探す。