若虎の「大谷斬り」で快調発進!!

 阪神の来季の初対外試合が7日、分かった。2月の沖縄・宜野座キャンプ中、11日に名護での日本ハム戦を予定している。主砲中田や1億円プレーヤーの仲間入りをした大谷が登場する可能性も高く、創設80周年イヤーに向けて格好の腕試しの舞台となる。ドラフト1位横山雄哉投手(20)らルーキー勢にとっても、勇名をはせる絶好機だ。

 来年のV奪回を目指す和田阪神は最高の相手に胸を借りる。来季の対外試合初戦として2月11日に日本ハム戦を組むことが判明。今季打点王の4番中田、10勝&10本塁打の大谷、俊足強打の陽岱鋼…。球界を代表する強打者が並ぶラインアップは、アピールに燃える若手投手にとって「壁」として立ちはだかる。

 毎年、春季キャンプ中の初実戦では有望株の若手が「開幕投手」として抜てきされるのが通例だ。今年は秋山が指名されたが、雨天中止で流れてしまった。岩貞、岩崎、金田らライバルもしのぎを削る。先発陣はメッセンジャー、藤浪、能見、岩田の4本柱は確定するが「5、6番目の男」がいない状況。来季のローテーションの残り2枠に定着するためにも、年俸1億円の大台に乗った若きスター大谷をねじ伏せれば格好のアピールになるだろう。

 もちろん、新人にも挑戦権はある。ドラフト1位の横山らにとっては、まずは1軍キャンプメンバーに選ばれることが第1関門だが、クリアすれば「2・11」に実戦デビューする可能性も浮上する。中西投手コーチは「早い時期のゲームは若手から。(横山と石崎の)実戦登板は、まず(2月)半ばの紅白戦でと考えている」と話し、慎重に調整させる方針だ。今年、新人の岩貞がキャンプ中に故障した前例があることから、きっちりと心身をプロ仕様に仕上げることを最優先させるが、順調に調整が進めば“前倒しデビュー”の可能性もゼロではない。

 横山にとって、1学年年下の大谷は因縁もある。山形中央では岩手・花巻東の怪物と実戦で対戦した。打者大谷に左中間へ長打を浴び、投手大谷に三振…。球界の常識を覆す二刀流のすごみを早くも肌で感じていた。横山は「社会人時代もその時期に実戦で投げていたので、しっかり合わせていきたい」と意気込む。果敢に「2・11」の初陣を狙う意気込みだ。

 球団関係者も「社会人は調整が早いから、早い時期から投げることはできるでしょう」と評する。若虎から新人まで「大谷斬り」が理想の腕試しになる。