中日又吉克樹投手(24)がドミニカ共和国で武器を手に入れた。8日、名古屋市の球団事務所を訪れ、佐々木球団社長、西山球団社長らにウインターリーグの報告を行った。

 「日本でよかった速いスライダーを向こうでは当てられた。緩急が利いてよかったです。使えたら投球に幅が出る」。日本ではほぼ投げない遅いスライダーの習得を所属チームのベテラン投手コーチにすすめられ、好感触を得た。当地で152キロ出た直球に対し120キロほど。同コーチから「これだけ緩急差があれば当てにくい」と言われた。

 ウインターリーグは現役メジャーやメジャー契約をかけた選手たちがしのぎを削る本気の勝負。1カ月以上の修業で身につけた「ゆるスラ」は阪神のゴメス、マートン、広島エルドレッド、ヤクルト・バレンティンら同一リーグで活躍する右の助っ人には脅威になるはずだ。

 一方で、右腕は「打者の右左に関係なくピンチの場面で使える投手になりたい」と理想像を描く。同じく習得を目指すチェンジアップの試投も存分にできた。今季3試合あったワンポイント(打者1人で交代)ではなく、セットアッパー定着をにらんだ準備を整えている。ニュー又吉が中日のブルペンをより強固にする。【柏原誠】