巨人坂本勇人内野手(26)が、順調なら今季中に取得するフリーエージェント(FA)権について、権利を行使する意向がないことが12月31日、分かった。周囲によれば、07年から在籍する巨人に対する愛着は強く、16年シーズン中に取得する見込みの海外移籍が可能のFA権についても、現時点では大リーグへの興味も薄く、行使する可能性は極めて低いとみられる。主将坂本が、黄金時代のチームリーダーになる。

 注目されるFA取得後の去就は、巨人愛を貫く形になりそうだ。06年ドラフト1位で巨人に入団。高卒1年目から1軍に抜てきされ、2年目からは遊撃手の不動のレギュラーとして、08年からの7年間で6度の全試合出場を達成。12年には最多安打の打撃タイトルを獲得した。大きく飛躍を遂げる中、原監督を筆頭にコーチやチームメート、球団スタッフのサポートへの感謝の気持ちは、増すばかりだった。

 今季からは、新主将に就任することが決まった。尊敬する阿部から受け取ったバトン。12月19日の契約更改の席上で「グラウンド内外で模範となれるように。前のキャプテンが偉大だったので、少しでも近づけるように、精いっぱい、頑張っていきたいです」と誓った。昨季も原監督から阿部、村田、長野と並び、「枢軸」に指名されたが、新たな肩書がチームを背負う自覚をさらに強くさせた。

 現時点ではFA権を取得しておらず、自身の去就については「先の話ですし、僕からは何も言うことはないです」と口にする。ただ、1つだけ強く誓っていることがある。「リーグ4連覇を達成して、日本一を奪回する」。26歳と若く、新たな目標や夢が芽生える可能性はゼロではないだろうが、今あるのは主将として、チームを背負う覚悟と強い決意。リーグ4連覇に向け、全力を尽くす。