冬休みの宿題は「黒田さん研究」です!

 阪神大和外野手(27)が6日、熊本・合志市内の練習施設で自主トレを公開した。昨年末、ヤンキースからFAとなっていた黒田博樹投手(39)が広島復帰を決断。広島時代に1度も対戦経験がない超一流右腕を警戒し、オフのうちに映像分析を進める覚悟を明かした。

 冬休みをどれだけ有意義に過ごせるか。宿題は提出直前に焦ることなく、先手先手で計画的に進めたいところだ。大和は今冬、「黒田博樹の分析」を研究課題のひとつとした。

 「別世界の人だったので。ニュースや試合中継のレベルでしか見たことがない。メジャーの試合も『すごい人だな』と、なんとなくしか見ていなかった。研究していかないといけない」

 黒田は07年まで広島に在籍し、同年オフにドジャース移籍。プロ4年目の09年に1軍初昇格を果たした大和にとっては、1度も対戦経験がない雲の上の存在だった。そんなメジャー79勝右腕が今季は一転、24年ぶりのリーグ制覇を狙う広島の大黒柱として立ちはだかる。あらゆる手段を使い、大投手を丸裸にするつもりだ。

 「自分の持っているデータがゼロなので。最初は他の投手より(映像チェックが)多くなると思う。昔、対戦したことがある人からも話を聞いて、データの材料にしていきたい」

 現在は熊本で自主トレ中。甲子園のクラブハウスで映像を入手できる状況にはない。「でも、ユーチューブでも見られるんで」。自ら動画サイトで映像を集め、打者として走者として、分析を進める。「ビデオを撮る角度もあるし、見方はいろいろありますよ」。具体的なチェックポイントは企業秘密とし、不敵に笑った。

 黒田は広島時代の11年間、阪神相手に48試合登板で18勝10敗、防御率3・16。米国でムービングボールに磨きをかけ、さらに進化して帰ってくる。簡単に打ち崩せない強敵だけに、攻略には今季盗塁王を狙う大和の足が欠かせない。

 3月には10、11日に広島とのオープン戦2連戦(甲子園)が組まれ、黒田が調整登板する可能性もある。「オープン戦はアウト、セーフ関係なく、どんどん走っていきたい」。冬休みの研究成果を春に試し、いざ開幕へ。大和は宿題をためこまない。【佐井陽介】

 ▼黒田は広島時代、阪神戦に48試合登板し18勝10敗、防御率3・16。セ・リーグ対戦カード別最多の貯金8を稼いだ。97年8月27日の対戦(甲子園)から02年8月20日(京セラドーム大阪)まで、足かけ6シーズンで8連勝。01年から07年まで7年連続して勝利を挙げている。阪神戦での3完封勝利(97年6月3日=西京極、99年9月30日=広島、02年8月6日=倉敷)は、ヤクルト戦の4完封に次ぎ、自身カード別2位。日本球界最後の年となった07年には同年31本塁打の金本を12打数ノーヒットに抑え圧倒していた。