阪神ドラフト1位横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が7日、カメの歩みで開幕1軍を目指す考えを明かした。6日の入寮から一夜明け、他の新人4選手と初めて鳴尾浜球場で自主練習。「ウサギとカメ」の物語でいえば、先行ダッシュ型のウサギではなく、じっくり型のカメを選んで競争に勝つ意気込みを示した。

 <1>当面ノースロー

 同期がキャッチボールする中、黙々とランニングを続けた。新人で唯一のノースローだ。「まだ投げないつもりです」。今日8日から和田監督らも視察する新人合同自主トレが始まるが、ノースローを継続する。通常、首脳陣が来ればアピールに燃えるものだが、大胆不敵に落ち着いていた。

 「まずはプロでケガをしない体づくりが大切。結果的にシーズンで投げられればいいので。しっかり自分のペースでやりたいです」

 故障すればアピール前に開幕1軍が夢と消える。現在は肩回りのケアと強化に重点を置き、侍ジャパンの21Uワールド杯で準優勝した11月17日を最後に、ボールは握っていないという。キャッチボールはもっと走り込んで土台をつくってから。ブルペン投球開始はキャンプ直前になりそうだ。

 <2>2軍発進OK

 キャンプは2軍スタートが濃厚だ。だが残念がる姿はみじんもない。「沖縄でも安芸でも関係ない。結果的に開幕した時1軍にいればいい」。ウサギのように最初から飛ばしても故障したら終わり。カメのじっくり調整で、最後に追い抜く開幕1軍ゴールを逆算している。20歳のドラ1はクレバーで心臓も強そう。楽しみな男がやってきた。【松井清員】