「22の瞳」で日本列島総リサーチ!!

 阪神がスカウト陣のクロスチェックを「強化」することが10日、分かった。昨年からとられた各スカウトが担当エリア外の選手を視察する態勢をさらに徹底する。

 昨季からセンバツや夏の甲子園だけでなく、練習試合などに他地域のスカウトを送り込むシステムを採用し、今年も継続する。球団関係者は「いつもより早く上位候補を絞り込まないといけない。特に高校生は。いまの態勢の強化です」と説明。従来より早くターゲットを絞ることで、より多くのスカウトが春先から各地方の試合に足を運び、目を向けることができる。複数スカウトが横断的に有力選手を見て正確な判断材料を多く集める狙いがある。

 昨年末、坂井オーナーは「どうしても即戦力だと言い出すと、そのチームは煮詰まってしまって、あまりいいことはない。3年後にローテを張る投手、クリーンアップを張る打者を1位で取っていくドラフトに切り替えていかないと」と持論を語った。将来性豊かな逸材を見極め、逃さず、確実に指名するためにも、総勢11人のスカウトの視点をフル稼働させる方針だ。

 担当地域に固執しない利点は他にもある。目玉候補がいれば、担当スカウトは密着マークする分、その地域で手薄になる他選手をエリア外スカウトがカバーできる。新年から152キロ右腕の県岐阜商・高橋純平投手(2年)や明大・上原健太投手(3年=広陵)の始動を視察した。今日11日にスカウト会議を開催。逸材発掘へ、動きが本格化する。