地獄トレやりきった!

 ソフトバンク武田翔太投手(21)が11日、宮崎市内で競輪選手の平田大毅(ひろき=38)と合同自主トレを行った。片道20キロ、山道8キロをロードタイプの自転車で一気に駆け抜けた。下半身を鍛え、スタミナアップしプロ4年目の今季はまずは「150投球回、3完投」を目標に完投できる柱となる。

 自転車を降りた武田の歩き方がおかしかった。ヨロヨロ、フラフラ…。「もう尻(両足の)内転筋がパンパンです。3回心が折れそうになった」。体は悲鳴を上げても、汗まみれの表情は達成感に満ちていた。

 往復40キロ。青島海岸をスタートし、宮崎市で一番高い双石(ぼろいし)山をつたい、椿山森林公園へ。ヘルメットをかぶり、ひたすらこぎまくって“ツールド宮崎”を走破した。

 2年ぶり2度目となる自転車トレ。下半身を追い込むために武田が平田に願い出た。宮崎総合運動公園のバンクが工事中のため、山道に変更されたが、アップダウンが激しく、前回より走行距離も伸ばす厳しいものとなった。一緒に走った平田は「意外と腕も鍛えられるんですよ。前回よりも体の線が太くなってますね」と、成長を喜んだ。

 太もも部分の内転筋が弱い武田にとって自転車トレはもってこいだ。下半身が強化されると、フォームも安定する。「制球さえよくなれば最後まで投げられる」。これまでは突然制球を乱す場面も多かったが、ムダ球を減らし完投数にこだわる。

 武田の完投は過去3年間で2つ。昨季は1つだった。チームは7完投でパ・リーグ最少。スタンリッジの2つが最多だった。救援陣の負担を減らすためにも「投球回数は150回くらい。完投も3試合はしたい。投げたら完投する投手になりたい」と話す。

 現在、体重は94キロと昨季より4キロほど増やした。前日10日には初投げし「腕が勝手に振れる。球がめっちゃ伸びるんです」と、肉体強化の成果を実感している。今日12日と下旬に、計2回自転車トレも実行する。下半身をさらに鍛え上げ、キャンプへ臨む。【石橋隆雄】