右肘痛の不安を抱える日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が、開幕1軍を見送られる可能性が出てきた。28日の千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレでも本格投球は行わず、ブルペン入りは2軍スタートする2月1日からの春季キャンプへ持ち越されることが決まった。球団側はベストな状態で1年目へ臨ませる方針。開幕に固執せず、万全の下地を整えることを最優先にする構想へシフトチェンジしそうだ。

 有原に、緩和策が敷かれることになりそうだ。この日、高校生ルーキー2人はブルペン入りしたが、ドラフト1位右腕は約60メートルのキャッチボールにとどめた。「順調にきてはいると思っています」。今日29日の新人自主トレ最終日のメニューは午前中のみで体を軽く動かす程度。右肘痛の不安を完全に排除するため本格的な投球練習を1度も行わず、キャンプインが確定した。当初の目標だった開幕1軍を、方向転換する可能性が浮上した。

 将来的な展望も見据えた上での措置になる。本人も、周囲も慎重に新人合同自主トレ期間は負担を掛けず調整を進行。2月のキャンプでは早くても6日からの第2クール以降にブルペン入りする見込み。その後は段階的に仕上げていく必要があり、現状では開幕でトップギアに入れるか微妙な情勢だ。

 球団側もベストの状態での1軍起用が最善策と考えている。開幕1軍に固執せず精神的な重圧を軽減させての調整を検討。中垣トレーニングコーチは「沖縄で(投球の)強度を上げていくことになる」と話す。新人王の筆頭候補と目される逸材は焦らず整え、フルスロットルでルーキーイヤーへ突入する。【高山通史】