沖縄が生んだ甲子園優勝投手が初共演だ。ソフトバンク東浜とドラフト5位島袋洋奨投手(22=中大)が福岡・西戸崎合宿所のブルペンで隣り合わせで投げ合った。

 左端で島袋が立ち投げを行っていると、1つ空けた隣に東浜がやってきた。東浜は「たまたまですけどね。ちょっと不思議な感じがしました」とニヤリ。直球だけだったが、捕手を座らせ20球を投げ込んだ。

 向かい合うように並んでいたが島袋は「来たのは分かったけれど自分でいっぱいいっぱいで見る余裕がなかった」と、ミットだけめがけ53球を投げた。だが、練習後には「改めて思うと不思議な感じ」と東浜と同じ感想を口にした。

 08年春Vの東浜、10年春夏連覇の島袋。2人は年末に沖縄で会い、年明けもセルラースタジアム那覇で1日だけだが一緒に練習していた。東浜がプロの練習の流れなどをアドバイス。「自分を持つこと」とプロでの心構えを伝え、入寮する前の島袋の緊張を解いていた。

 その後も沖縄で大隣と自主トレを続けてきた東浜はウエートトレーニングで背中、尻、太ももなどを強化。大隣が得意とするチェンジアップを学んだ。12年ドラフト1位は過去2年で5勝。今年こそ先発の柱を目指す。

 東浜は「中学から知っている。高校、大学と投げ合った。同じチームに入ったからにはいいライバルとして刺激しあっていきたい」。新人合同自主トレの島袋はまだプロの練習についていくのがやっとだ。島人(しまんちゅ)コンビがヤフオクドームの主役になれる日まで、新たなライバルストーリーが始まった。【石橋隆雄】