ドミニカ共和国でパスポートの盗難に遭った阪神マウロ・ゴメス内野手(30)の2月1日からのキャンプ参加が絶望的になった。29日、高野栄一球団本部長が「パスポートはまだ発行されていません。週をまたぐかも分からない。物理的に難しい」と、来日メドも立たない現状を明かした。

 ゴメスは現地時間26日に車上荒らしに遭い、パスポートを紛失した。すぐに再発給を申請し、早ければこの日に来日の見通しが立つ方向だった。まだパスポートすら手元にない状況で、さらに就労ビザの発給時期も不透明。欧州経由で日本に向かう空路も長時間を要することから、ナインと一緒にキャンプインするのは事実上、不可能になった。

 4番打者の想定外のトラブルの様子は和田監督にも報告されている。高野本部長は「できるだけ早く来てほしい。コンディションを整えて来てくれとのことだった」と説明する。長期化するようなら、現地に担当者を派遣することも考えているという。

 1年目の昨季は夫人の出産に立ち会い、2月10日に来日した。調整不足を露呈し、開幕まで突貫工事で仕上げた経緯がある。トラブルに見舞われた2年目も先行きは読めず、一抹の不安がよぎる。