最大減俸は新井さんのせい!?

 阪神金本知憲外野手(43)が19日、球団事務所で契約交渉し、減額制限40%に近い球団最大の1億4000万円減となる年俸2億2000万円で更改した。右肩痛からの復活に自信を漂わせ、弟分新井をイジる口調は“現状維持”。新井のスランプ突入を予告し、いつでもとって代わる決意を示した。(金額は推定)

 金本が球団最大の減俸額を受け入れた。今季年俸が1000万円多い3億6000万円だったことが判明し、減俸額は野球協約の減額制限(1億円以上は40%)に近い1億4000万円。それを、ジョークに変える余裕があった。

 金本

 目いっぱい下げられました。これは成績がそのまま給料に反映されるのでしかたがない。気持ち的にはもう少し下げ幅を、と訴えたけど、新井さんにたくさん払っているのでと。

 阪神移籍後ワーストとなる打率2割1分8厘、12本塁打、31打点。09年に5億5000万円だった年俸は、3年間で半分以下となった。それでも金本に暗さはない。和田監督から来季4番に指名されている新井をからかいながら、いつでもとって代わる意気込みを示した。

 金本

 どうせ彼はすぐにスランプに陥るだろうから。マスコミにたたかれ、やじられ、精神的に追い込まれて泥沼が3回ぐらいある。パッと頼むぞと言われて、わかりましたという準備をしておきたい。

 虎の4番の重圧を誰よりも知るだけに説得力?

 のあるスランプ予告。そんな新井に一番プレッシャーをかけているのはほかならない金本で、この日もさりげなく「倍アーチ」のノルマを突き付けた。

 金本

 目標の数字を挙げる立場じゃない。1試合でも多く出られるように。新井さんが40本打つと公言していたが、なんとか食らいついて僕は半分ぐらい打ちたい。新井さんが50本打つかもしれないので、その時は25本は打ちたいです。

 すべてがジョークというわけではない。右肩の回復に手応えがある。シーズン終了翌日からトレーニングに励んでいる。来年2月キャンプに向けた青写真もある。第1クール中にシートノックに入り、第2クールには屋外フリー打撃で逆方向の左翼に柵越えを目指していくものだ。

 金本

 投げるほうは85%ぐらい仕上がった。一番いいですね。今開幕してくれたらいい。ここ2年ではダントツでいい状態です。(夏場以降)右中間、センターにいい打球も飛び始めた。そこからもしかして来年いけるんじゃないか、もう1年チャレンジしてみようと。

 球団最大の減俸も糧に、チャンスがあればいつでも4番に座る。【益田一弘】