日本ハム田中賢介内野手(30)が、チームの“脱ダルビッシュ”路線を打ち出した。21日、札幌市内の球団事務所で契約更改し、3年契約の2年目となる来季は、現状維持となる2億7000万円プラス出来高払い(推定)でサイン。エース・ダルビッシュのメジャー移籍が濃厚だが「チームにとって痛いかもしれないけど、どういう野球をしていったら勝ちに結びつくのか、そういう部分では楽しみ。他のチームも(主力が)いなくなっているので、遜色ないと思っています」。新戦術の構築に自信をのぞかせた。

 ダルビッシュを除けばチーム最高年俸となる田中。来季から選手会長という役職は外れるが、グラウンドでは変わらずリーダーとなる。「(年齢的にも)チームの中心にいるので、全体のことを見ていきたい」。そんなリーダーが目指すのが、絶対的エースに頼らない、新しい戦い方だ。

 ダルビッシュは06年から6年連続2ケタ勝利など、近年のチームの常勝ぶりは、エースとともにあったといっても過言ではない。栗山監督は「機動力野球」を掲げ、走力のある田中を3番起用のプランも持っている。不動の1番打者として貢献してきた田中も「打順はどこでも、僕は言われたところをやるだけ」と、これまでのスタイルは捨てる覚悟でいる。

 左足首付近の骨折で49試合の出場にとどまった今季を振り返り「思うようなシーズンが送れなかった。チームに迷惑をかけた」と反省。リベンジを期す来季、変革期を迎えるチームの中で、ますます存在感は大きくなる。【本間翼】