怒りの保留だ。阪神平野恵一内野手(32)が22日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、2000万円増の推定年俸1億8000万円+出来高2000万円を保留。越年更改が決定した。出来高査定を提示した球団に対し、年俸のベースアップを求めた。

 「外野もして、打順も変化があって、その辺の思いというか…。(ポジションを兼務すれば)自分のレギュラーポジションを空けるリスクがある。チームのためにという気持ちでやっている。その辺で少し球団の評価と差がある。この金額で頑張れる数字じゃない」

 今季は2番二塁でスタートしながら中堅、右翼も兼務。打順も1番、2番、3番を任された。飛ばない統一球に悩まされながらも、リーグ5位の打率2割9分5厘。身を粉にしてマルチプレーヤーに徹し、それでも2年連続で二塁部門ベストナイン&ゴールデン・グラブ賞を獲得した。数字に表れない貢献度をどこまで評価してくれるのか。ショック度は紅潮した表情が物語っていた。

 「(活躍に応じて金額が上がる)出来高は信用されていない感じがする。チームの優勝のために頑張れる金額を、納得するまで交渉していきたい」

 次回交渉は年明け。心のモヤモヤを吹き飛ばすまで、決して妥協はしない。