<東都大学野球:中大4-3国学院大>◇第3週初日◇20日◇神宮

 中大が国学院大に逆転勝ちして先勝した。2点を追う6回、井上晴哉一塁手(4年=崇徳)の今季1号を口火に、一挙3点を奪って逆転。エース鍵谷陽平投手(3年=北海)が3回を2安打無失点に抑えて逃げ切った。開幕投手を務めた島袋洋奨投手(1年=興南)は今日21日の登板が予想される。国学院大は開幕戦勝利のあと3連敗となった。

 中大・井上のバットが、反撃の口火を切った。2点を追う6回。ファウルになりそうな内角低めの直球を左翼スタンドへ。東都1部現役最多の通算8号ソロだ。小さく「よっしゃ」とうなずいてベンチに戻った。4番の一発に触発されるように、後続も3安打で2点を追加。一気に逆転に成功した。

 昨年9月に亜大・東浜から放ったサヨナラアーチ以来、12試合ぶりの本塁打。「うまく打ててびっくり」と自分を褒めた。開幕の駒大戦は慣れない三塁に挑戦し、3戦3安打0打点。定位置の一塁に戻ったことで打撃に集中できた。1日2時間、球をイメージし丹念に振り込んだ成果が出た。

 180センチ105キロの大型ドラフト候補。昨夏は初の大学日本代表も経験した。冬場には筋トレ好きの先輩、巨人沢村に勧められ下半身も鍛えてきた。広島苑田スカウト部長も、地元広島出身の大砲をチェック。「リストが強いね。欲しいタイプ」と高評価だ。高橋善正監督(66)に1シーズン10本塁打を課されている井上は「こんな感じじゃ、まだまだです」と久々の感触にも満足していなかった。【鎌田良美】