<東京6大学野球:明大4-2早大>◇第3週初日◇24日◇神宮

 明大がプロ注目右腕・野村祐輔投手(4年=広陵)の無四球完投で早大に先勝した。高校の後輩である有原航平投手(1年=広陵)との初対決は、初回に1点を先行されたが、被安打6、2失点で9回を投げ抜いた。今季2勝目、通算21勝目を挙げた。

 マウンドを降りたばかりの野村がユニホーム姿のまま、神宮球場の正面玄関に走った。震災義援金の募金活動に加わった。9回をわずか105球で投げ抜いた無四球完投。「(早大打線が)ドンドン打ってきてくれた。相手の打者を見ながら投げました」。笑顔で自らの投球を語った。

 早大の先発は広陵の後輩有原だった。3つ違い。一緒にプレーしたことはないが、顔見知りの仲。「自分も1年のときそうだったけど、怖い者知らずで投げてくる。受け身にならず、向かっていきました」。野村も08年の1年春にデビューしていきなり3勝(無敗)を挙げ、優勝に貢献した。3年前を思い出し、最上級生の意地を見せた。

 この日は自己最速の149キロをマーク、終始攻めの投球を貫いた。1回1死一塁から二塁打を浴び先制を許したが、慌てなかった。「(有原より)先にひっこむわけにはいかないですから」。広陵のチームメートで、早大4番に座る土生にも真っ向勝負。4回1死後の対決では、内角速球を2球続けてバット2本を折った揚げ句、一ゴロに仕留めた。「4番なんで、打たれると向こうも乗ってくるんで」と話した。

 これで今季2勝目、通算21勝となった。もっとも前週の立大戦に先勝したあと連敗して、優勝争いにはもう1つも落とせないところにいる。「あとは勝つだけなんで」。プロ注目の現役最多勝投手は登板試合にすべて勝つつもりだ。【米谷輝昭】