<首都大学野球:東海大5-0大東大>◇第3週初日◇28日◇サーティーフォー相模原球場

 “ドラフト浪人”中の東海大・菅野智之投手(22=東海大相模)が、巨人があらためて1位指名を表明してから初めて、リーグ戦を観戦した。意中の球団から2年連続の最高評価を受け「来年その評価に恥じないプレーをするために毎日過ごしていきます」と決意を新たにした。試合は菅野から1回戦先発の大役を引き継いだ左腕、渡辺圭投手(3年=東海大甲府)が大東大を2安打完封。前エースに負けじと好投した。

 最大級の評価を、菅野は素直に受け止めた。「正直にうれしい気持ちはあります。ブランクがあるから今年はダメなんじゃないかと思われたら、浪人した意味もなくなるので」。23日のスカウト会議で、巨人原沢敦GM(56)が今秋ドラフト1位指名の方針を表明。練習オフだった菅野は携帯のニュースを見て知った。2年連続のドラフト1位なら巨人史上初となる。

 日本ハムの入団交渉期限が切れ、現在“就職浪人”中。今年は公式戦もオープン戦も出場できない。しかし、春先からバント練習やプロの先発ローテを想定した「中5日200球投球」を続け、準備に余念はない。実戦不足、体調管理面が不安視されるなか「そういうの抜きに手を挙げてくれた」のがありがたかった。

 リーグ戦開幕後は、シート打撃で後輩打者と対峙(たいじ)している。この週は雨続きで登板できなかったが「来週の日体大は右投手だと思う。ちょっとでも力を貸してあげられたら」。自分の練習にもなり、一石二鳥で投げる気満々だ。

 試合に出られない分、見る機会は格段に増えた。予習を兼ねてプロも観戦…といきたいところだが、現在は練習が月曜休みでプロ野球とかぶる。「今は日程が合わないですけど、交流戦が始まったら行きたいですね。ドラフトまであと半年しかないですから」。限りある時間。吸収できるものは何でも吸収して、2度目の“その日”に備える。【鎌田良美】