元楽天監督の野村克也氏(77=野球評論家)が、日本体育大学(東京都世田谷区深沢)の客員教授に就任することが27日分かった。3月4日に正式発表される。スポーツ教育への貢献が期待されており、学生に豊富な野球理論を講義する可能性が出てきそうだ。

 ノムさんが、客員教授になる。日体大はこのほど、野村氏を新たな客員教授として招聘(しょうへい)することを決めた。教育、研究活動への貢献が期待されている。

 日体大の規定によると、客員教授の称号を付与する条件は五輪、世界選手権等のメダリストまたは入賞者の一流アスリートや学識経験者等とあり、今回は五輪マラソンメダリストの有森裕子氏も就任予定だ。

 首都大学リーグ1部に所属する野球部は、95年新人王の山内泰幸(広島)や05年セーブ王の小林雅英(ロッテ)らを輩出した。ただ野村氏が、現場の大学生の指導を行うには、日本学生野球協会の審査が必要になり、現時点では不可能。1月には元プロ経験者の指導者就任の条件として、退団後2年間の期間を廃止する一方で、プロ側、アマ側、双方が定める研修を受けることが必要になった。野村氏がすぐに野球部の監督、コーチに就任することはないが、研修を受ければ、将来的には指導に絡む可能性もある。

 01年に阪神監督を辞任後、05年まで社会人野球シダックスを指揮。03年都市対抗野球では野間口(現巨人)やキューバの大砲キンデランらを擁して準優勝した。再びアマチュア球界に登場すれば、夢が広がる。

 野村氏は南海時代、テスト入団から3冠王を獲得した。ゼロからスタートしてはい上がった人生経験は、野球だけでなく、学生スポーツ界という新たなステージでも生かされるに違いない。