<仙台6大学野球:東北福祉大10-0東北大>◇第1節第2日◇14日◇東北福祉大野球場

 東北福祉大は10-0の5回コールドで東北大に連勝し、順当に勝ち点を挙げた。3日に入学した1年生左腕・出口心海(岩手・盛岡大付)が1安打完投勝利。打者16人に対し、6者連続を含む毎回の10奪三振でリーグデビューを初白星で飾った。

 東北福祉大の1年生ルーキー出口が鮮烈なリーグデビューを飾った。スタートから2者連続三振。与四球後、船木吉裕捕手(4年=横浜隼人)が二塁盗塁を阻止すると、2回表1死からは6者連続の空振り三振ショーを披露した。4回表、相手2番に中前打を許したが、動じることなく後続を断ち切り、計69球で大学公式戦初登板初勝利を挙げた。

 連続三振奪取のリーグ記録(9個)更新も期待された出口は、「甘く入ったフォークを打たれてしまいました。ノーヒットノーランを狙っていたので、そっちの方が残念」と平然と振り返った。山路哲生監督(46)も「ちょっと高かったがボールはキレていた。先発型だと思うのでこれからも試していきたい」と合格点を与えた。

 昨夏の高校野球・岩手県大会決勝で、日本ハム大谷翔平(18=花巻東)に5-3で投げ勝ち、甲子園マウンドに立った。自身は初戦敗退したが、今春のセンバツで後輩たちが全国1勝を挙げ、刺激を受けた。リーグ前の関東遠征では4試合に先発。明大戦で7回を3安打無失点に抑え、自信をつけた。最速139キロの直球にカーブ、チェンジアップ、フォーク、カットボールなど多彩な変化球が武器。「任された仕事を全力でやりたい」と始まったばかりの大学生活に闘志を燃やしている。

 チームの同期に昨夏、甲子園準優勝の城間竜兵(青森・光星学院)ら有力なライバルたちがひしめく中、リーグデビュー一番乗りを白星で飾った。将来プロ志望の出口は「お互いに刺激し合って、また大谷と投げ合ってみたい」と夢を広げた。【佐々木雄高】

 ◆出口心海(でぐち・しんかい)1995年(平7)3月16日、横浜市瀬谷区生まれ。瀬谷二小2年から瀬谷ライダーズで少年野球を始める。下瀬谷中ではボーイズリーグの横浜瀬谷ボーイズに所属。盛岡大付では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。3年夏の甲子園に出場。左投げ左打ち。両親、兄、183センチ、83キロ。血液型A。