<東京6大学野球新人戦:東大4-1早大>◇3日◇1回戦◇神宮

 東大が早大を破り、06年春以来14季ぶりに勝利を挙げた。「東大の二刀流男」の白砂謙介外野手(2年=修道)の三塁打などで1回に3点を先制。投げては辰亥(たつい)由崇投手(2年=高松)が8回を1失点に抑えて逃げ切った。リーグ戦は56連敗中ながら1、2年生が出場する新人戦は、15連敗で食い止めた。

 東大ナインには入学以来初の公式戦勝利だった。7年ぶりとなる1回戦突破。先発の辰亥が8回を投げ被安打6の1失点に抑えた。甲子園経験者が7人も並ぶ早大をリーグ戦5敗の経験を生かして?

 牛耳った。「コントロールがよかったです」と声を弾ませた。

 今春から特別コーチを務める桑田真澄氏(45)から指導を受ける。外角低めへの制球力をアドバイスされている。「意識してます。10球中5球しか行かなかったですが、今は6、7球は行きます」。8回を98球。四球も2で止めた。「1回に3点入ったんで、気持ちも楽でした」。

 失策の走者を犠打と野選でかえして先制。2死後には5番白砂が三塁打して2点目を奪った。リーグ戦では4敗の左腕が、この日はバットで貢献した。「打つ方が自信あるんです。でもフェンスを直撃してビックリしました」とこれまた笑顔で振り返った。

 浜田一志監督(48)はベンチに入らず、私服姿で観戦した。「成功体験を得てもっと強くなってくると思います。『亭主(監督?)元気で留守がいい』ですかね」。冗談も飛び出す中、辰亥は「これから英語の授業があるんです」といってロッカー室を飛び出した。【米谷輝昭】

 ◆東大の新人戦

 06年春の1回戦で立大に5-2で勝ったのを最後に15連敗していた。優勝はないが、準優勝が2度ある。92年秋の決勝で明大に2-6、82年春は早大に0-1で惜敗した。82年のエースは当時2年生の大越健介投手(現NHKキャスター)で、立大に5-1、法大に2-0と勝ち決勝まで3連投した。同投手はリーグ戦通算8勝(27敗)を挙げている。