<仙台6大学野球:仙台大10-3東北工大>◇第2節第2日◇9日◇東北福祉大野球場

 仙台大が8回コールドで東北工大に連勝し、今春に勝ち点を奪われた雪辱を果たした。0-3の8回裏、2番松本桃太郎内野手(1年=北海道・北海)が満塁から走者一掃の右翼線二塁打を放つなど一気に10得点で勝負を決めた。松本は7日の第1戦でも満塁本塁打を放っており、“満塁男”として存在を強烈にアピールした。

 「桃太郎」の名前にふさわしい暴れっぷりだ。仙台大の先発野手でただ1人の1年生・松本のバットから快音が響き続ける。3点を追う8回裏、先頭打者として左前打で出塁。同点に追いつく3者押し出し四死球のきっかけをつくった。6-3と逆転し、2死満塁で2度目の打席が回ってくる。思い切り振り抜いた打球は右翼線に弾み、第1戦の満塁弾に続く走者一掃の適時打になった。内角高めのボール球を両腕をたたんで振り抜いた一打を「打てると思ったら全部いきます」と笑顔で振り返った。

 この日3安打3打点で、2試合を消化して8打数5安打(3適時打)8打点。森本吉謙監督(39)は「何のしがらみもなく、キャッキャと言いながら、ちゃんと結果を出している」と松本のムードメーカーぶりを認めた。将来を考えて高校時代から重めの木製バットで練習してきた。入学直後の今春は12試合出場で1本塁打を含む10安打の打率2割2分7厘。「結果にこだわりすぎて力みがあった」と反省する。打順は春の3番から2番になったが「思い切りの良さと長打力」という自らの長所を再確認。「打順は意識していません。ランナーがいない時は自分がつくる。自由にやらしてもらっています」と感謝している。

 チーム打撃を優先する一方で、「本塁打で一番になりたい。4年間で全部取りたい」と打撃の全タイトル獲得を目標に掲げる。桃太郎の名は両親から「いい仲間がたくさんできるように」と授けられた。「1つも落とさずに東北王座決定戦に出て、4年生たちと長く野球がしたい」と鼻息は荒い。高校2年時の甲子園に続く全国の舞台に闘志を燃やす。【佐々木雄高】

 ◆松本桃太郎(まつもと・ももたろう)1994年(平6)11月11日、北海道岩見沢市生まれ。岩見沢中央小3年から岩見沢CSBで野球を始める。岩見沢光陵中では札幌新琴似シニアに所属。同3年時は三塁手で全国準優勝。北海では1年秋からベンチ入り。甲子園には一塁手で2年春夏に連続出場し、春8強。家族は両親、兄、妹、弟。右投げ左打ち。現在は三塁を守る。175センチ、67キロ。血液型A。