<静岡学生野球:常葉大浜松1-0日大国際関係>◇最終第7週2日目◇12日◇静岡・松前球場

 常葉大浜松が延長10回にサヨナラ本塁打が飛び出し逆王手をかけた。エース岡田圭市(3年)が志願の連投で日大国際関係を0点に抑えると、10回1死から小池俊輝(2年)が左翼へ放り込んだ。日没に加え3時間ルールが迫るなか、小池の1発で死闘をものにした。最終第3日は今日13日正午から清水庵原球場で行われる予定。

 常葉大浜松が12年秋以来の栄冠に迫った。ヒーローの小池は「監督からスライダーが来ると言われていた。初球を狙った」と振り返る。内寄りに来るスライダーをすくって自身初となるサヨナラ打でのダイヤモンド1周。「とにかくうれしかった」と興奮していた。

 直前のピンチをしのいだ。10回表に1死二、三塁とされると、マウンドの岡田は「シンカーで(三塁の)森岡(大和=4年)さんのところに打たせよう」と考えた。森岡は捕手からのけん制のサインで投球後にベースに寄っていた。直後、痛烈な打球が森岡のグラブに収まり、瞬時にベースを踏み併殺が完成した。

 11日の第1戦で2失点完投した岡田が志願して登板した。この日も9回まで2安打と打線が機能せず、小池は「志願して投げていたからなんとか1点をあげたかった」。第1戦の試合後にグラウンドに戻り打撃練習に励んだ。小池は「本塁打を狙っていた」と長打で試合を決める思いだったが、見事に結果を残した。

 勢いがつく勝ち方で優勝も見えてきた。2日間で269球を投げた岡田は「3連投するつもりで」と話せば、小池も「優勝したい」。荒天により第3戦は延期の可能性が高いが、常葉大浜松の士気は最高潮に達した。【加納慎也】