<東都大学野球:駒大7-1拓大>◇第7週第1日◇15日◇神宮

 勝ち点3の首位駒大が拓大に先勝し、今日16日にも01年秋以来26季ぶり27度目の優勝が決まる可能性が出てきた。先発の今永昇太投手(3年=北筑)が8回14奪三振で無失点に抑え、リーグトップの6勝目(2敗)。ドラフト上位候補の4番江越大賀外野手(4年=長崎海星)は、4打数4安打で首位打者に躍り出た。今日16日も勝利し、2位中大が敗れれば優勝が決まる。中大-青学大戦は雨天中止になった。

 雨でぬかるむマウンドで、今永が目いっぱい腕を振った。リードを4点に広げた6回無死一塁、4番末広に対して、2ボール2ストライクから、6球連続ファウルで粘られる。11球目。126キロの内角スライダーで、空振り三振に切った。10個目の三振に、左手を握りしめる。「追い込んでから、しっかりと腕を振って、いい球がゾーンに行きました」。悪天候でも崩れず粘り、ストライクを投げて、要所を締めた。

 勝利すれば大きく優勝に前進する大一番で、8回を投げて自己最多の14奪三振。リーグ1位の今季6勝目、現役トップの17勝目だ。最速145キロの直球に、スライダー、チェンジアップを散らす。来秋のドラフト1位候補に、西村亮監督(40)は「天候もあって、いつものコントロールではなかったですが、やはりエース」と賛辞を贈った。

 今永の力投に続き、4番江越は4打数4安打で、打率4割9厘として首位打者に立った。10打点でリーグ2冠。すでに11球団から調査書が届くドラフト上位候補は「自分のポイントまで、しっかりとボールを引き付けられている」と言った。エースが投げて、4番が打つ。強い駒大が、26季ぶりの悲願に大きく近づいた。【前田祐輔】