15年ドラフトは、東京6大学リーグの好打者トリオが熱い。近年、ドラフトの目玉は投手陣が続いたが、今季は野手にも好素材がそろう。慶大の背番号「24」、「ヨシノブ2世」谷田成吾外野手(3年=慶応)は、走攻守そろったイケメンスラッガー。

 「ヨシノブ2世」こと慶大・谷田が本家超えを狙う。現在、現役1位の9本塁打。「春に7本、秋にも7本打てれば…23本で並びますよね」と、OBの巨人高橋由が持つリーグ最多の通算23本塁打を意識する。「1シーズン7本、打つイメージはできています」と、04年秋に法大・田中彰が記録したシーズン最多本塁打更新にも自信をみせる。そうなれば、新記録も夢物語ではない。

 根っからの「ホームランキング」だ。4歳上の兄と1歳違いの弟とともに小1で野球を始め、川口リトルでは通算約70本塁打を量産。「遠くに飛ばすと親にほめられたんです」と、笑いながら少年時代を振り返った。東練馬シニアでは中2夏に、全国大会の準決勝で真っすぐを打ち返し、ライナーで神宮球場のバックスクリーンに当てた。慶応でも高校通算76本塁打を放ち、神奈川県記録を作った。飛ばす力とボールを捉える才能は、天性のものだ。

 昨年は慶大入学後初めて、通年で打率3割台をキープ。12月に行われたJR東日本とのオープン戦では巨人、ロッテのスカウトが視察するなど注目は高まる。「高校に入った時、7年間でプロに行ける選手になろうと決めました。今年は集大成。打率も5割を目指して、自信を持ってプロに入れるよう、自分が出せる最高の結果を出したいです」。大先輩が築いた高い壁を越え、胸を張ってプロ入りしてみせる。【和田美保】

 ◆谷田成吾(やだ・せいご)1993年(平5)5月25日、埼玉・川口市生まれ。川口リトルで野球を始め中1年時に世界大会準優勝。東練馬シニアでは中2夏に全国4強。慶応では1年春から4番で3年春に神奈川大会優勝。高校日本代表にも選ばれAAAアジア選手権制覇。慶大では3年春ベストナイン。大学日本代表にも初選出。50メートル6秒2、遠投120メートル。183センチ、89キロ。右投げ左打ち。家族は両親、兄、弟、妹。