甲斐には負けない!

 オリックスからドラフト3位指名を受けた菰野・西勇輝投手(17)が、1位の東海大三・甲斐拓哉投手(17)に強烈なライバル心を燃やした。4日、三重・菰野町内にある同校で熊野スカウト部グループ長、安達スカウトから指名あいさつを受けた西は「同じ高校生だし、いつか追いついて追い越したい」と目をギラつかせた。

 西が新たなライバルとして1位の甲斐に“狙い”を定めた。同じ高校生の151キロ右腕について「向こうは150キロを超えるすごい投手。同じ高校生だし、いつかは追いついて追い越したい。ボクは“カメ”タイプなのでコツコツ練習して追い越したい」。現時点で甲斐の方が評価は上なのは分かっている。それでも負けるつもりはない。顔には笑みを浮かべていたが、目は真剣だった。

 これまでもライバルの存在が西を成長させてきた。高校時代は今春センバツで153キロを計測した宇治山田商・平生拓也投手(18)がいた。今夏は三重大会決勝で平生に投げ勝ち、甲子園出場を果たした。「ボクはライバルがいた方が頑張れるんです。これまで平生のおかげで頑張れた。プロでもライバルがいた方が良い」。今度は甲斐と競うことで自らのレベルアップを果たすつもりだ。

 すでにライバルの動向は“チェック済み”だ。報道で知った甲斐の指名あいさつの様子を引き合いに出し「指名あいさつで“カイタク”って呼んで欲しいって言っていたみたいですね。ボクは何がいいかな…。私生活では寮などで一緒になることも多いと思うので仲良くしたい」と笑った。甲斐とはお互いに切磋琢磨しながら、プロの世界で活躍する姿を思い描いている。

 現在、西は来年1月からの新人合同自主トレ、キャンプに向けて後輩とともに練習を続けている。「もっと体を大きくしないといけない。新人合同自主トレや春季キャンプにもしっかりとついていかないといけない。気を抜くわけにはいかない」。新たなライバルの存在を力に、西がプロへの1歩を踏み出す。【桝井聡】