西武がドラフト1位に指名した花巻東の菊池雄星投手(18)をフルネームで売り出す。「ナベQ」の愛称で親しまれる渡辺久信監督(44)が9日、提案した。ユニホームの背中に「KIKUCHI

 YUSEI」と表記したり、通常は名字しか使わないスコアボード表示や場内アナウンス、新聞のテーブル表記にいたるまで「菊池雄星」を使用し、認知度をアップさせる作戦だ。15日に3回目の指名あいさつを予定する菊池や、球団の賛同を得られれば、実現も夢ではない。

 斬新なアイデア連発で、最近は黄金ルーキー売り出し作戦の“プロデューサー”と化している渡辺監督が、またもひらめいた。「スター選手のほとんどが、名字と名前をセットで覚えられている」ことが、フルネーム活用案のきっかけだった。菊池には「雄星」という特徴的な名前があり、ヤクルト由規のように、登録名を名前にする選択肢も考えられる。だが名前だけ、名字だけ、で覚えられるより、フルネームを浸透させる方がインパクトは強い。

 渡辺監督は現役時代を振り返り「最初は渡辺と呼ばれてたけど、智男(渡辺=現スカウト)が入団してから、久信とかナベQと呼ばれるようになった。フルネームで覚えられるとうれしかったからね」という。同じ球団で同姓の場合、名前をつけないと区別できないが、菊池の名字は西武には他にいない。スケールの大きな投手に育ってほしいという願いも込め「菊池雄星」をひとくくりにして大展開する。【柴田猛夫】