中日が4日、ドラフト6位で指名したホンダ諏訪部貴大投手(21)の獲得を断念したと発表した。前日3日、埼玉・川越市内で仁村、石井両スカウトが出席し、2度目の入団交渉を行ったが、正式に入団拒否を伝えられた。中田スカウト部長は「私の判断ミス。6位で来てくれるだろうと思って指名した私のミスです」と話した。中日の入団拒否は81年に5位指名した浜田知明投手(電電東海)同6位古川利行投手(北越商、後に入団)以来、28年ぶりとなる。

 その順位の低さが入団拒否につながった。3日の入団交渉で諏訪部は「まだ会社に貢献していない。もう1年、このチームで力をつけて来年は1位で指名されるような選手になりたい」と話した。高卒3年目と若く、もう1年社会人で経験を積めば、上位指名される自信もある模様。今年は都市対抗優勝、日本選手権準優勝の成績を残したが、いずれもエースとして活躍しておらず恩返しをしてからプロ入りしたい気持ちが強いようだ。

 ドラフト指名当日に「7対3で残留」と話していたが、11月26日に行われた1度目の入団交渉では「後悔しないようにもう1度考え直したい。やると決めたら行くと思うし、もう1年力をつけようと思えば残ると思う」と、揺れる胸中を明かしていた。育成選手を含め、大量10人を指名した中日が、将来有望な社会人右腕に振られてしまった。