ソフトバンクが10月28日のドラフト会議で、上位候補に野手指名を検討していることが4日、分かった。1位指名は早大・大石達也投手(4年=福岡大大濠)を最有力に同・斎藤佑樹投手(4年=早実)も検討中だが、次代のチームを担う上位野手候補には、習志野・山下斐紹(あやつぐ)捕手(3年)、PL学園・吉川大幾内野手(3年)、東海大・伊志嶺翔大外野手(4年=沖縄尚学)らをリストアップ。さらに大砲獲得を狙い、PL学園・勧野甲輝内野手(3年)指名も検討。即戦力投手補強や他球団の野手指名状況を加え、今月下旬までに絞り込みが行われる。

 7年ぶりのリーグ優勝を果たしたソフトバンクが、常勝球団の道を切り開くべく、今秋ドラフトの野手指名リストを準備した。今年は即戦力投手補強とともに、王球団会長が夏の甲子園視察に乗り出すなど次代のスラッガー獲得がテーマ。ホークスの指名候補選手に、ズラリ逸材の名が並んだ。

 注目は高校NO・1捕手の呼び声が高い習志野・山下。高校通算35発のパンチ力ある打力だけでなく、二塁送球1・79秒の強肩が魅力。たぐいまれなセンスは群を抜いており、球団内では中学まで守っていた外野手としての評価も高く、適性をはかるプランまであるという。さらに今オフ、ホークスは他球団のFA捕手補強に消極的で、捕手強化の最有力候補だ。

 早くから熱視線を送っていたのはPL学園の吉川。抜群の運動能力で中堅、遊撃の2ポジションを楽にこなす。球団としては、昨秋に獲得した今宮との次代の二遊間コンビを託せる候補として上位リストに名を記している。大学NO・1と評される東海大・伊志嶺への注目度も高い。球団内では「ロッテ荻野を連想させる」との声があり、即戦力野手評価だ。いずれの選手も他球団の上位選手候補に挙がっており、指名順を巡っての“読み合い”が必至。他球団の動向をチェックしながら、今月下旬までに候補を絞り込む方向だ。

 大砲指名へも余念はない。次代のクリーンアップ候補として獲得を狙っているのは、PL学園の勧野。1年時から名門の4番を任されたスラッガーの潜在能力に着目。他球団では日本ハム中田、オリックスT-岡田ら若き大砲が才能を開花させているだけに、ソフトバンクも負けてはいられない。高校通算27本塁打ながら長距離打者としての能力は高校トップクラスとあって、有力指名候補だ。

 今ドラフトで最上位候補は投手指名で変わらない。1巡目が抽選で外れたケースでも投手指名するのが有力。ただ、地元福岡の九国大付・榎本葵外野手(3年)も含め、野手補強にも注目が集まる。