日本ハムが「宮本武蔵流」でドラフト会議に臨む。21日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でスカウト会議を行った。ドラフト会議(28日)の前日に行われる最終の打ち合わせをのぞけば、梨田監督、球団フロント、スカウト陣が一堂に集まるのは最後の機会となった。

 1位指名候補には早大の斎藤佑樹投手(4年=早実)と大石達也投手(22=福岡大大濠)、中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)ら5人ほどが残ったが、依然複数の名前が挙がっている状況。山田GMは「絞り込めていません。今年は力のある投手がいる。他球団の動向を調べながらとなるし、(ドラフト)当日にならないと分からない」と、決定は当日まで持ち越す可能性もある。

 早くから指名を公言していた3年前の中田(当時大阪桐蔭)らとは違い、リストには複数が並んだ。「全部で三十数人くらい」(大渕チーフスカウト)と下位指名を含め、投手を中心とした戦略は固まったが、1位指名選手は絞らずに会議を終えた。山田GMは「あとは他の球団がどういう評価をしてくるか…」と、他チームの動向をにらんで、最後の最後まで柔軟に対応していく。宮本武蔵は巌流島の決闘にわざと遅れて出向き、佐々木小次郎に勝利したといわれる。ドラフト会議も一発勝負の場。有望な金の卵を獲得するため、策略を練る。【本間翼】