ドラフト会議で横浜から5位指名されたTDK・大原慎司投手(25)が8日、秋田県にかほ市にあるTDKの福利厚生施設・親和クラブで、河本明取締役編成部長らの指名あいさつを受けた。同社からは、09年3月に統合したTDK千曲川を含め、4人目のプロ野球選手となる。

 174センチ、66キロと細身ながら、最速142キロの直球と4種類の変化球で内外角を突く左腕。中でも「ぼくの生命線です」(大原)という120キロ台中盤のスライダーには絶対の自信がある。田中幸雄スカウトは、史上3人目の通算250セーブを達成した中日岩瀬を引き合いに出し「岩瀬のスライダーの曲がりと非常に似ている。直球と同じ軌道できて、打者の手元で横に滑るように曲がる」と即戦力になると判断した経緯を説明した。

 横浜では、リリーフでの起用が濃厚だ。田中スカウトから「1イニング抑えられれば飯を食っていける」と声をかけられた大原は「ぼく=スライダーと覚えてもらえれば。他の球も生きてきますし。任されたところで抑えたい」と力強く言った。マスクは端正ながら、マウンドでは強気。“伝家の宝刀”を引っ提げて、プロの世界へ飛び込む。【今井恵太】