昨年日本選手権でJR北海道を初の8強に導いた右腕、武藤好貴投手(24=中京大)が1日、プロ志望を表明した。この日、野球部が恵庭市内で開催した少年野球教室に参加した武藤は「社会人野球からさらに上へという気持ちで取り組んできました。(指名があれば)球団にはこだわりはありません」と心境を話した。

 今季は野球部活動自粛のため武藤が登板した公式戦は、6月の都市対抗野球1次予選1試合のみだったが、地元日本ハムを含め3球団が見守った。その後も複数球団が練習見学に足を運んだ。狐塚賢浩監督(45)は「本人は上で力を試したいと言っており、チャンスがあれば行かしてやりたい」と話し、調査票も既に数球団に提出。指名があれば会社も了承する構えだ。

 札幌藻岩高出身の武藤は、中京大を経て昨年4月、JR北海道に入社した。177センチと上背はそれほどでもないが、最速147キロの速球と切れのあるカットボール、スライダーが持ち味。昨年4月のJABA岡山大会で優勝に貢献、11月の日本選手権ではJFE西日本、沖縄電力戦で勝利投手となり注目を集めた。運命のドラフト会議は27日に行われる。【中尾猛】

 ◆武藤好貴(むとう・よしたか)1987年(昭62)7月22日、札幌市生まれ。札幌石山中では内野手。札幌藻岩高で投手に転向。2年秋には秋季全道準優勝。中京大(愛知大学連盟)に進学し、4年春リーグ優勝に貢献しMVP。昨年4月、JR北海道に入社。1年目の春から投手陣の軸として活躍。177センチ、72キロ、右投げ右打ち。