阪神が、来秋のドラフト候補として、東海大・菅野智之投手(22=東海大相模)をリストアップすることが27日、明らかになった。球団首脳は、最速157キロ右腕について「もちろんリストアップします。それはそうでしょう、それだけのピッチャーですから」と口にした。

 菅野は今秋ドラフトで、伯父である原監督が率いる巨人を「特別な球団」と表現して入団を熱望したが、交渉権を獲得したのは1位指名で巨人と競合した日本ハムだった。今月21日に「自分の小さいころからの夢というものが強かったということです」と、日本ハムに断りの連絡を入れ、浪人を決断。社会人や独立リーグ、海外のプロ野球に進んだ場合は来年のドラフト会議で指名を受ける権利を失うため、どこにも所属せずに、1年後に巨人の指名を待つ姿勢を示している。

 菅野が浪人を決断したことで、1年後には再び、全12球団がドラフトで指名できる。すでに中日は中田スカウト部長が「諸事情は抜きにして、ごく普通の好投手としてマークを続けます」と話している。

 阪神はここまで、菅野の能力を高く評価してきた。今秋ドラフトでは補強ポイントと合致した慶大・伊藤隼太外野手(22=中京大中京)を1位指名しているが、1年後に菅野を指名できるチャンスが出てきただけに、その動向をマークしていくことは自然の流れだ。メジャーリーグからも熱視線を浴びた逸材右腕を、来秋のドラフト候補としてしっかりチェックしていく。

 ◆菅野智之(すがの・ともゆき)1989年(平元)10月11日、神奈川・相模原市生まれ。東海大相模では2年春からベンチ入りも甲子園出場はなし。東海大では1年春からベンチ入りし、全国大会準優勝3度。今秋ドラフトで1位指名した日本ハムが交渉権を獲得したが、入団拒否の姿勢を示す。母詠美さんは巨人原監督の実妹で、家族は両親と姉。185センチ、87キロ。右投げ右打ち。