藤浪外れても「金の卵」を獲得する-。阪神が今秋ドラフトの外れ1位候補に東福岡・森雄大投手(3年)、光星学院・北條史也内野手(3年)らをリストアップしていることが18日、分かった。大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(3年)の獲得は至上命令だが、外れた場合も「素材重視」「投手優先」の方針を固めた。他にも三重中京大・則本昂大投手(4年=八幡商)ら、将来的に投手陣の中心となれる素材を指名する方針。運命の日へ向け、万全の準備を整える。

 ドラフト会議まで1週間となった。阪神にとっては、和田豊監督(50)が競合必至の藤浪を引き当てられるかどうかが最大の焦点だ。ただ、それは神のみぞ知る。藤浪の抽選に外れた場合にも備えておかなければならない。南球団社長はこの日、坂井オーナーと中村GMが17日に行った会談で“外れ1位”の指名方針を固めたことを明かした。

 「ドラフトの話が中心ですよ。外れ1位?

 秘密中の秘密ですよ。まあ、こういう方針で行こうというのはね。オーナーも興味をお持ちだから、細かい部分でこの選手より、この選手の方がいいんじゃないか、という意見もあった。大筋で了承してもらった」

 他球団との駆け引きにもつながってくるため、慎重な発言だったが、坂井オーナーとの話し合いの末に「素材重視」「投手優先」の方針が確認された模様だ。その中で、真っ先に名前が挙がってくるのが快速左腕の東福岡・森だ。甲子園経験こそないが、素材は大谷、藤浪にも匹敵すると言われている。左腕だということもあって他球団も上位候補に挙げている逸材だ。

 他にも中村GMが自ら直接視察に足を運んだ1試合20K右腕の則本、ポスト球児候補の150キロ右腕、NTT西日本の増田達至投手(24=福井工大)、大体大の左腕・松葉貴大投手(4年)、150キロ左腕の大阪ガス・松永昂大(24=関西国際大)らが候補に挙がっている。いずれも将来のエース候補だ。

 チーム事情から投手優先だが、野手では好素材の光星学院・北條が他球団の指名状況によって外れ1位候補に浮上する可能性がある。藤浪率いる大阪桐蔭に屈し、春夏連続で甲子園では準優勝に終わったが、攻守にスケールを感じさせる。

 猛虎再建の柱となるのがドラフト戦略。藤浪は是が非でもほしいが、その他にも「金の卵」は全国にいる。虎が万全の準備を整えて運命の日を迎える。