メジャー挑戦が決定的となっていた160キロ右腕、花巻東(岩手)・大谷翔平投手(3年)が21日、岩手・花巻市の同校で会見を開き、米挑戦を正式に表明した。両親や佐々木洋監督(37)が国内プロを経ての米挑戦を勧めた中、高校入学時からの夢を貫いた。今後は、ドジャースなど大リーグ球団と本格的な契約交渉に入る。

 これまでに大谷が直接面談したメジャー球団は、ドジャース、レンジャーズ、レッドソックス。大谷本人は「話をしたいという球団もあると聞いているけど、今のところはその球団から選びたいと思う」と語ったが、今後は激しい争奪戦となりそうだ。佐々木監督はこの日、大谷本人は同席しなかったものの、ヤンキースと面談を済ませたことを明かした。カブスなど新たに手を挙げる球団も出てきており、計8球団が獲得に興味を示している。

 現時点はドジャースが有力とみられる。小島圭市スカウトが、1年時から密着マーク。プロ志望届提出翌日の9月20日には、ローガン・ホワイトGM補佐とともに一番乗りで同校に出向き、獲得の意思を示している。本人との面談も最初に行っており、関係者によると、その誠意は大谷サイドにも伝わっているという。

 これまでの面談は、各球団の育成システム、米国での生活の説明のみで終わっていた。今後は代理人を選定し、条件面の具体的な交渉に入る。25日のドラフト会議後にも、各球団と接触する。ただし、日本の球団に指名された場合、来年3月31日までは指名球団に「選手契約締結交渉権」があり、契約は同4月1日以降になる見込みだ。