楽天星野仙一監督(65)が9日、現行ドラフト制度の問題を指摘した。「選挙も小選挙区、比例、中選挙区とあるが、ベストはない。それと一緒。ドラフトは12球団の戦力均衡のため。逆指名だとか、抽選だとか、中途半端なことをやっている。完全ウエーバーにすればいい」と、その年の下位チームから優先的に指名できる完全ウエーバー制を提案した。

 発言のきっかけには、花巻東・大谷翔平投手(18)の動向がある。地元の逸材だけに、楽天も1位指名に決めていた。だが、メジャー挑戦表明を受け、直前に回避した。星野監督も、日本ハムの粘り強い交渉が大谷を翻意させたと理解している。ただ「俺は思わないし、思いたくもないが、裏で話ができていたと思われるおそれもある」と抽選を有利にするために、他球団に指名を回避させたと誤解を招く危険を指摘。「こういうことがあるとドラフトが壊れてしまう」と制度の透明性を高めるためにも、完全ウエーバー制を支持した。

 制度改善のためには「実行委員会やオーナー会議もある」と、球界全体で話し合う必要があるとした。また「コミッショナーが、ビシッと言わないと」と、不透明感、不公平感の残るドラフトを避けるべく、NPBトップのリーダーシップを求めた。【古川真弥】