西武のドラフト1位候補に大阪桐蔭・森友哉捕手(3年)が急浮上したことが23日、分かった。この日、都内のホテルでスカウト会議が行われ、1位候補を3人に絞り込んだ。当初は、即戦力投手の指名を第一に考えてきたが、打撃技術、捕手としての能力を高く評価する高校NO・1捕手を単独指名する可能性が高まった。

 ドラフトを翌日に控え、各球団のせめぎ合いが行われる中、西武が高校NO・1捕手、大阪桐蔭・森友を最上位で指名する可能性が浮上した。当初はJR東日本・吉田、九州共立大・大瀬良ら即戦力投手とみられたが、指名が重複することが濃厚。早くから密着マークを続けてきた森友を一本釣りで獲得する可能性が高まった。

 当初から特Aランクに位置付け、動向に注目した。関西担当のスカウトだけでなく、他地域担当のスカウトも頻繁に練習を視察。今夏の甲子園では1回戦の日本文理戦で両翼に2本塁打を放った森友に対し、鈴木球団本部長は「(左翼への)1本目は甲子園を知る男の経験。(右翼への)2本目はパワーを示した」と絶賛した。森友も日本代表で選出された18UW杯(台湾)にはスカウト2人を派遣。木製バットへの対応力もさらに評価を高めた。

 西武では大阪桐蔭出身の選手が活躍する歴史もある。4度の本塁王を獲得した中村、今季打点王を獲得した浅村は同高出身。大舞台にも強く、しっかり振るスタイルは、西武の野球にも合致する。以前、テレビ観戦した、前監督の渡辺久信シニアディレクター(SD)は「面構えがいいよね。プロでやるには大事な部分」と評価。80~90年代の西武黄金期を支えた渡辺SDもプロとしての資質を認めた。

 都内のホテルで行われたスカウト会議終了後、鈴木本部長は「最終的に判断するのは明日」と結論を濁した。11年ドラフトは社会人NO・1投手の十亀を単独指名。2年目の今季は先発ローテを守った。正捕手の炭谷が、来季中にもFA権を取得する見込みで、次世代を担う捕手の発掘も必要不可欠。その年の最も評価の高かった選手を指名するのが球団の方針で、今年は高校NO・1捕手にターゲットを絞った。

 ◆高校生捕手の1位指名

 過去は88年谷繁元信(江の川-大洋)94年城島健司(別府大付-ダイエー)ら15人。最近では05年高校生ドラフトの炭谷銀仁朗(平安-西武)荒川雄太(日大高-ソフトバンク)、10年山下斐紹(習志野-ソフトバンク)がいる。