今季遊撃のレギュラー座を奪取し全試合スタメン出場を果たした巨人坂本勇人内野手(19)が27日、東京・大手町の球団で契約更改交渉し、850万円から2550万円アップの年俸3400万円(推定)でサインした。高卒3年目での3400万円は、巨人では松井秀喜に次ぐ2番目の高額契約となった。

 グレーのスーツに水色のネクタイで決めた坂本は、会見の席でほおを緩めた。「考えていたよりも良かったです。いい評価をしていただきました」と笑顔を見せた。春季キャンプから激しい競争を勝ち抜き、開幕1軍でスタメンの座を手にした。そのチャンスを逃すことなく、遊撃手として守備範囲の広さを武器に、日本シリーズまでのすべての試合に先発出場。その部分を高く評価された。

 「打率や出塁率、守備でも課題はありますが、オールスターにも出場でき、いい経験ができた1年でした」と振り返った。打率2割5分7厘、8本塁打、43打点は、88年に中日立浪が新人王を獲得した2割2分3厘、4本塁打、18打点をいずれも上回る。新人王のタイトルは同僚山口に譲ったが、成績は堂々たるものだった。

 レギュラーを奪取し背番号が61から6に変更される。「正直、まだ早いんじゃないかって思ったんですけど、いいプレッシャーにして、恥じないようなプレーをしたい。すごくいい背番号だし、6番は前から好きだったので」と、意欲をかき立てた。

 さらなる飛躍が期待される来季、目標の1つに2ケタ本塁打を掲げた。「がつがつウエート(トレーニング)して、がつがつ食べて体重を増やしたい。守備のスピードを落とさないまま、力強い打球を打てるようにしたい」と誓った。来春からは乗用車の使用も認められる予定。「慢心せず、しっかりやってほしい」という球団の期待に応える。年俸アップのご褒美には時計を購入する意向。1分1秒を大事にジャンプアップを目指す。【竹内智信】